鈍色の空の下ある衝動に駆られた。
品川駅には麺達という有名ラーメン屋7店が集まった、ブース?
がある。特に有名なのは「なんつっ亭」「くじら軒」「ひごもんす」
であろうか。
急に食べたくなるのである。取引先が品川にあり、麺達が通り道
というのもあってか私の足はおのずと高架下の上品なイメージの
品川とは異質な空気の塊へと向かうのであった。
いつもながら賑わう場所なのだが、(一時よりは落ち着いたか?)
問題は店選びである。混みすぎも腹の虫が餓死寸前の私には
痛いところだし、この時間帯にがらがらというのもちょっと頂けない
ので、前回行けずに終わった「ひごもんす」に我が意を決めた。
「ひごもんす」
特製ラ~メンを頼んでみる。
おおぉ!器の中の賑やかな事賑やかな事。ラ~メンのテーマパーク
とは少しいいすぎか?
その中には焼き豚×2、角煮×2、もやし、きゃべつ、きくらげ、のり、
卵、とにかく賑やかである。
柔らかい具材中にきゃべつの食感がなんともにくい演出である。
とんこつ出汁は博多や和歌山風と違い豚骨の臭みは全く感じられ
ず、ほのかにピリリと舌を刺激するものがある。
麻油を使ってでもいるのか?飽きさせない工夫をしている。
麺細麺で私好みであった。
ただ一つ悔やまれるのはこの店「替え玉」がないのである。
私の「替え玉お願い~」の言葉に店員が狼狽してる姿が何とも
印象的であったと同時に致命的ミスをしてしまった。
豚骨系ラ~メンということで確認もせず、替え玉をあること前提に
食していたのである。
器にはここぞとばかり存在を私にPRする角煮が私を見つめている。
「お客様申し訳ございません。当店は替え玉をやっておりません・・・」
周りの時空を歪める程の得たいの知れない空気が店員と私の間に
漂うのである。
取り残された角煮の視線が気になったのか、器をちら見した店員が、
「ライスありますが・・・」と言ってくれた。
「じゃ、それで・・・」
外から音がしてきた。雨が私に励ましのエールをおくってくれているのか?
涙を雨でごまかせと言わんばかりに・・・。
☆2・5!